滑車で引っ張る力を変換する

こんにちは、山城です。

今回は滑車とバネの話です。
皆さんがよく想像するバネといえば、いわゆるコイルバネと言われるものではないでしょうか。
今回当社が使用したのは定荷重バネというタイプのもので、常に引っ張る荷重が同じものです。
ローラーから引き出して使い、重いものを軽く引き上げられるようにする場合等に使います。

小学校や中学校にあった、簡単に上下できる黒板などに使われているようです。

この定荷重バネ、うまく使えば素晴らしい威力を発揮するのですが、規格が比較的厳密に決まっていて、長い距離物体を動かそうとするとバネの長さが足りない場合があります。

今回の当社の治具案件でも、重い部品を上下させるために使おうと考えたのですが、そのストローク距離が1400mmぐらいあったため、適当な長さのバネが見つかりませんでした。(定荷重バネの多くが1000mm以内のストロークになっています)。

そこで、ああでもないこうでもないと試行錯誤した結果、滑車とワイヤーを使って引っ張る力をストロークの長さに変換すれば良いのではないかと思いつきました。

そこで作ったのが写真の滑車です。

SUS304のブラケットに、SUS303の軸を通し、滑車本体はポリアセタール(ジュラコン)で製作しました。
径の小さい方にバネから伸ばしたワイヤーを巻き付け、径の大きい方には治具から伸ばしたワイヤーを巻き付けます。
小径側は50mm、大径側は80mmにすることで、理論上バネが1000mm伸びると、治具側のワイヤーは1600mm伸ばすことができます。

実際に取り付けてみると、予想通り1400mm以上治具を上下させることができました。

これを思い付いたのは、何となくボール盤の回転速度を変えるベルトを見ていた時でした。ボール盤も同じ原理で軸の回転の速さを調節しています。
本当にどこにヒントが転がっているかわからないと改めて実感した次第でした。