アルミを使うメリット・デメリットを紹介するよ!

こんにちは、山城です。
さて、時間がたってしまいましたが、今回からは少し金属を中心とした材料の話をしたいと思います。
これ、製品化したいけどどんな材料が良いんだろう?、どんな材料が使えるんだろうと思った方は、ぜひこちらを覗いてみてください!!

記念すべき第1回は、アルミについて。
P_20160603_090139

 

 

 

 

 

アルミのもちろん正式名称はアルミニウム。

その生産量は鉄に次いで多く、もはや生活に欠かせない金属となっています。
アルミの特徴は何といってもその軽さです。鉄の1/3ほどしかないので、重量がネックになる場合はまずアルミでの製作を検討します。
iPadをはじめとしたタブレットやノートパソコンはもちろん、産業機械、治具、軽量化を求められている航空機の機体としても使われていますね。

では、もう少し詳細にアルミの特性を見ていきましょう。

アルミのメリット

1.とにかく軽い
もう、とにかく軽いです。鉄の1/3です。軽さが命の場合は何も考えずにアルミを選んでください(考えてください)

2.錆びにくい
アルミは、空気に触れている表面が一瞬で酸化するという特性があります。
これはステンレスやチタンにも同じ現象が起きるのですが、表面に比較的強固な酸化被膜ができるため、それ以上内部に腐食(錆び)が進行しにくくなるのです。

また、アルミにはアルマイト(陽極酸化)といって表面の酸化被膜を強制的に厚く強固にすることによって耐食性をより強くするという加工を施すことができます。
さらに、アルマイトは着色もできるので、独特の金属光沢を持った美しい色に仕上げることが可能です。

3.加工しやすい
アルミは切削加工が非常にやりやすい素材です。鉄よりも切削性が良いので、加工時間を短くできるのはもちろん、深穴、深溝、長尺等の難加工もそれほど問題なく加工できてしまいます。
特に外形寸法が数㎜程度の小さいものの加工の場合には、ドリルやタップをはじめとした工具の破損リスクが低くなるので、コストも抑えることができます。

アルミのデメリット

1.(主に鉄と比べて)強度があまり高くない。
鉄は、炭素を中心にいろいろな添加元素の働きによって、強度を自由自在と言って良いほどに変えることができます。
一方アルミは、一般的に出回っている材料としては鉄ほど強度がありません。鉄と同じくらいの強度を持った材料もかなり流通するようになってきましたが、材料費としては割高で、通常のアルミより腐食しやすいといった問題点があります。

2.溶接がしにくい
アルミは、鉄やステンレスと比べてかなり溶かさないと溶接が難しいため、薄い板状の素材などは周りもドロドロに溶けてしまい、うまく溶接できません。
従って、板金加工では主に曲げ加工のみで成形していくことになります。
十分な板の厚さがあれば、溶接も可能ですので、アルミで溶接を考える場合は素材の厚さを十分に検討する必要があります。

3.(鉄と比べて)材料費が高い。
逆に言うと鉄が他の素材と比べて非常に安いのですが、アルミは鉄より材料費が高くなります。重量があまり関係なく、それなりの大きさがあるけれども加工箇所はそれほど多くないといったような場合は、アルミより鉄を選んだ方が良いかもしれません。

さて、今回はアルミを使う場合のメリット・デメリットを見てきました。
参考にしていただけたでしょうか?

もしわからないことがまだある、アルミでこんな加工可能なの!?とお考えになったら、山城製作所までご相談ください!
ではまた!

作りやすい形状ってどんなの?素材と機械から考えます。

こんにちは。山城です。

今回のお題は作りやすい形状についてです。以前Q&Aにも記載しましたが、金型は製作費が非常に高く、相当数のロットでない限り逆に高価になってしまいます。では、どんな形状や素材であれば加工しやすいのでしょうか。

実は、これは市販されている素材と、加工する機械に大きく影響されます。
ではどんな素材が加工しやすいのか見ていきましょう。

1.どんな素材があるの?
まずはどんな素材があるかの確認からです。最も基本となるのは円形状、板形状(棒形状)の素材です。
円形状の素材は丸棒と呼ばれ、中心が詰まっているものと空洞になっているもの(こちらはパイプと呼ぶことが多いです)があります。これらは事前に流通している規格が決まっており、特定のサイズで2m、4m、6m程度で売られていることが多いです。例えば直径20mmの丸棒4mのような形状です。
素材の形状に近いほど加工しやすいので、例えば直径20mm、長さ50mmの棒形状の外形加工や内径加工のみのような設計だと、コストを下げられます。
代表的なもう一つの形状は板形状(棒形状)です。板材やフラットバーと呼ばれることもあります。
これらは板形状、棒形状の素材から必要な長さ、幅を切り出して使います。こちらも規格が決まっているので、素材の状態からなるべく手を加えない形状に設計することで加工が楽になります。

2.どんな機械で加工するの?
当社のような金属切削加工業者が使用するのは旋盤、フライス盤といった機械です。旋盤は素材が回転するため円筒形状の加工が得意です。円筒に対して同心円状に加工することはできますが、旋盤だけで中心からずれた位置に穴開けをしたり、円筒の軸に対して垂直方向に穴を明けたりすることはできません。
一方フライス盤はバイスという万力のような工具で固定して加工することが基本となるので、直方体に近い形状ほど加工しやすくなります。こちらは工具が回転するため、加工面や加工形状は旋盤より自由度が高いです。

3.それ以外の形状は?
以上、どんな形状でどんな加工ならやりやすくなるのかを見てきましたが、他にはどんな素材があるのでしょうか。その辺りを少し紹介したいと思います。
・アングル形状
英語のLのような形状の素材です。フラットバーと同じように、L部分の辺の長さ、厚さが規格で決まっており、2m、4mのような定尺と言われる長さで売られています。
・チャンネル形状
カタカナのコの字型の素材です。こちらもアングル形状の素材と同じような売られ方をしています。
・6角棒
その名の通り正6角形の棒材です。目的の大きさがあれば、ナットを大量に作る場合などはこちらを利用するのが良いでしょう。

今回紹介した以外にも、思ったより多様な形状の規格素材が売られているので、ぜひいろいろと検討してみてください!

いっぱいありすぎて逆に困る!?3DCADの選び方

こんにちは!山城です。

今回は3DCADについて考察したいと思います。
最近MAKERムーヴメントなどもありソフトウェアもかなり充実してきました。
そこで手を出したけどなかなかうまくいかないというのが3DCADではないでしょうか。
そこで金属加工業界に身をおく人間の視点からオススメの3DCADを紹介していきます。
最初に断っておきますが私はAUTODESKさんの中の人でもなければ回し者でもありません。

今回は、CADの入門から入ってその後展開していきたい人向けに書いてみました!

1.使い方を考えよう。
さて、CADを選ぶに当たってまずは自分がどんな目的でCADを使おうと思っているのか明確にしましょう。
それによって最適なCADも変わってくるからです。
直感的に操作できるものが良いのか、ある程度正確に形状を作れるものが良いのか、難しくても本格的な機能が備わっているものが良いのか、等々です。

2.世の中に出回っているCAD
では簡単に世の中に出回っているCADを紹介していきましょう。私のオススメは最後に紹介します!

Designsparkmechanical
フリーのCAD業界では後で紹介する123Dかこれかというぐらいに有名なCADですね。もちろん無償で、簡単な操作で本格的な設計ができます。またフリーのCAD界隈をリードしてきただけあって解説が豊富です。
難点はアセンブリに弱いのと、読み込めないファイルがあるということでしょうか。

123D
AUTODESK社が提供する直感的な操作が可能な3DCADです。あまり使ったことはないのですが、紙粘土でものを作るような感覚で造形ができるようです。弱点は機械的な設計にあまり強くないところでしょうか。

FUSION360
私も使っている3DCADです。最近日本語化されだいぶ使いやすくなってきました。

3.オススメのCAD
簡単に紹介しましたが、私のオススメはFUSION360です。
では、FUSION360の優れた点を紹介していきます。

・ヒストリー形式のCADである。
ヒストリー形式とは、作業した履歴が残るCADです。ほとんどの3DCADはまず平面に図形を描き、そこから押し出しや回転といった編集をして3次元形状を作っていきます。
FUSION360は、平面上に描いた図形や3次元的に編集した履歴が残るので、どこでどんな作業をしたか常に確認でき、必要があればある程度削除や修正が可能です。

・中間ファイルが開ける
3DCADに慣れてくるといろいろなところからデータを拾ってきて編集したり、自分で設計したものに組み込んだりしたくなってきます。
FUSION360はSTEPやIGESといった代表的な中間ファイルを開いて編集することができます。
他の多くのフリーの3DCADでは、中間ファイルが開けなかったり開けてもデータが編集できなかったりとトラブルが発生することが多いです。

・本格的なアセンブリ(組み立て)ができる
FUSION360では複数の部品を一つのファイル内で同時に扱うことができ、本格的なアセンブリ(組み立て)まで可能です。
部品同士を組み合わせて動作を確認したり、干渉をチェックしたりできます。

・デメリットは?
FUSION360は最近日本語化したこともあって、日本語ユーザーへの対応が不完全なところがあります。メニューの一部に英語が残っていることもあり、不便を感じることもあるでしょう。
また、英語の解説動画は非常に充実しているのですが、日本語では、解説しているブログが少しずつ増えてきているという段階です。

私のオススメはFUSION360ですが、ぜひ自分に合った3DCADを見つけてモデリングからものづくりにチャレンジしてみてください!

テーパーは難しい?意外と厄介なテーパー加工と設計の注意点

こんにちは。山城です。

さて本日はテーパー加工についてです。最近テーパー加工についてです。
実はこのテーパー加工、色々なところで顔を出すのですが、意外と厄介な加工だったりします。

テーパー加工とは何か

棒状の素材で言えば、先端が細くなっていくように設計したものをテーパーと呼びます。穴であれば、穴の入り口が大きく、底に向かって細くなっていくような形状のことを言います。

テーパー加工の何が難しいのか。
テーパー加工といってもそれほど難しくないものから、加工不能なものまでありますので今回はそちらを検討していきましょう。
1.比較的加工しやすいもの
丸棒の先端や一部が円形状のテーパーである。
こちらは加工についてはほとんど問題になりません。
なぜなら、通常の旋盤加工で通常のバイトを使って加工できる形状だからです。
一つの面が正方形の立方体または直方体の先端を円形に削るテーパー加工、正方形の中心に開ける穴のテーパー加工。
こちらも旋盤に取り付ける四つ爪という取り付け工具があればそれほど問題なく加工できます。
2.少し加工しにくい、またはある程度の加工経験や治具が必要
直方体の対角線の中心を円の中心とする外径や内径のテーパー加工。
こちらは上に書いた一つの面が正方形の立方体や直方体と似たような加工ができそうですが、4つ爪を使うことができないため、爪自体を加工するか、治具を作る必要があります。
そのため、通常より工程が多くなり、その分コストにも影響してきます。
直方体の先端を四角錐状に細くするテーパー加工
こちらはフライス盤やマシニングセンタで加工可能ですが、複数の工程が必要になったり、四軸以上の加工機が必要になります。
3.加工がかなり難しいまたは特殊な工具、治具、機械が必要。
加工物の中心以外に明ける穴のテーパー加工、ポケットのテーパー加工。
こちらは最初からテーパーの付いた刃物(主にエンドミル)を使うか、ボールエンドミルを使って長い時間をかけて加工する必要があります。
テーパーの付いた刃物はあまり一般的ではないので工具代が余計にかかってきます。またボールエンドミルでテーパーを形成する場合は加工時間が非常に長くなります。
いかがでしょうか。
これ以外にも加工しやすい形状、加工しにくい形状はありますが、今回は代表的なものを取り上げてみました。設計の参考にしてみてください!
「こんな場合のテーパー加工は簡単なの?難しいの?」と思ったらお問い合わせください。